真っ黒なスキッパーキは真っ白な雪の上で楽しげに散歩をする。
スキッパーキは普段と変わらず散歩を楽しんでいるのだが、雪が降ると今まで見えていたところが雪に覆われてしまうので、道の両側に生い茂るようにあった木々の葉はなく空が広く見え、草花も無くなったた代わりに雪が積もっているので、境界が曖昧になり、まるで騙し絵のように幻想的で広い場所に居るように思える。
雪の散歩はとても楽しい。
年に数えるほどしか経験できないから余計に楽しい。
だから大切で楽しい時間となり、素敵なサプライズプレゼントだと思っている。
雪の舞い降りる季節は、いろいろな意味で期待してしまうので、お出かけはとてもテンションが上がる。
サムにとって雪の上で遊ぶのに丁度よい雪の積もり加減も分かってきてた。
分かってきたけれど、そうそう都合よく雪が降り積もるわけではないし、寒さに格段と強いわけでもないし、もうスキッパーキは子供でもない。
サムを含め生きていくという事は経験したことを覚えていて成長している。
体力の続く限り楽しそうに遊ぶスキッパーキサムだと思っていた頃とは違い、今では雪の上で遊ぶ楽しさよりも足が冷えたから少しでも冷たくない所に避難するという行動をとるようになったのもその一つ。
当たり前なのだが、雪は冷たい。しかも足元からジワジワと冷えていく。楽しく遊んでいる時はハイテンションで忘れるけれど、一遊びした後はテンションも落ち着き、状況を認識出来る。
靴を履いていても冷えるのだから、裸族素足のスキッパーキサムはその冷たさをダイレクトに感じとり冷えるのだろうという事は分かるのだが、それでも楽しそうに雪の上で遊サムだから、少しでも長く楽しい時間をと思って引き際を見誤ってしまう。
雪降る季節でこのように楽しく遊べる幸せ。
お互い遊べるうちは遊びたい。これからも沢山一緒に遊びたい。サムを見失うことのない白い雪の上で。