偶然の再会

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偶然の再会

サムはいつもなら嫌がる雨(小雨ですが)にもかかわらず、元気よく歩く。

駐車場から室内ドッグランまでそれほど距離はないが、雨よけになるものはない。

サムは濡れた足元や小雨も全く気にすることなく歩く。好奇心のほうが強いのだろうか?

ドアを開け、こんにちはと中に入る。体育館のような室内ドッグラン。皆が遊んでいる囲い中にお邪魔する。

ドッグランの中に椅子がありそこに座っている何人かの人達のお一人が、「スキッパーキですよね?!」と気さくに声をかけて来てくれた。

「はい」と答えながら、なんて言おうかぐるぐる考えていた。

いきなりスキッパーキとサラッと出てくるという事は・・・やはり間違いない!

大型犬を飼っている人は小型犬に興味があまり無い。ましてスキッパーキという犬種を知っているという確率はほぼ無い。

という事は、この方は間違いなく以前お会いした方だという結論に達した。

奇遇だ。何という確率なんだろう。ちょっと感激してしまった。

何といえば良いのかパッと思い浮かばなかったのだが、以前ご一緒した事があるという事を口に出すと、似ていると思っていたとお互いその時のことを思い出し、少し話をした。

お友達とご一緒だったので軽くお話をした程度だが、まさか初めて来た所で知っている?方に会うとは驚きだ。

ここで会うということは、ここは結構良いっていうこと?などと勝手に思いながら、知っている人の知っている犬って事で、遠慮なく傍に来てちょこんと背中を向けて座った「ファング」の体をさわさわと撫でさせてもらった。

オーストラリアン・ラブラドゥードルの詳しいことはわからないので、勝手にラブラドールレトリーバーのがっしりした体型にプードルのフワッフワの毛質だと思っていて、ファングを触らせてもらって想定外のプードルの華奢な骨格に驚いた。

毛がふわふわだから完璧に見た目で騙されたという感じだった。

それにしてもスキッパーキとは全く違う毛の感触は素晴らしく気持ちがいい。

ファングはとても大人しくそばに居てくれたのだが、グレゴリーとお友達のケイトはアクティブで、あちこち動き回っている。

スキッパーキサムに至っては言うまでもなく走り回るでなく、いろいろ気になるようで一人探検隊となり、地道にドッグラン周りにいる。

暫く穏やかな雰囲気が漂うドッグランにいたのだが、一旦休もうと挨拶をしてドッグランを後にした。

「サムまたね」と言ってもらえてちょっと嬉しかったな。名前を呼んでもらえるのは良いよね。

と言ってもサムは何も気にしていない。

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