サムの様子が気になるものの、一緒にアプトの道を戻る。
帰りは来たときよりも短い距離に感じ、サムも普通に歩いているので、気にし過ぎで、なんでもないことだったのかもと思ってもいた。
ところが、駐車場に戻り、車にサムを乗せるため足を拭こうと持ち上げた時、何かがポタリとサムから落ちたようだった。
何が落ちたのだろうと、地面を見ると・・・
黒いまるまるとしたモノが蠢いていた。・・・
一瞬何モノか分からず見つめてしまったが、その正体は「ヤマビル」だった。
ヤマビルと分かると、怒りがこみ上げてきた。
大切なサムを、スキッパーキサムに取り付いていたのか!
サムが訴えていたのはこのことだったのかと。
そりゃ違和感マシマシだったよねサム。ゴメンね。本当にごめん。
こんなにまるまるとしてはちきれんばかりにパンパンになっているという事は、サムの血をたっぷり吸って、満腹でサムから離れたのか!
スキッパーキサムの小さな体にある大きな違和感だったよね。取れないし・・・
サムの、大切なサムを傷つけて、血をたらふく吸ったのか!怒りが膨れ上がった。
おじさんが言っていた落ちてくるっていうのはこのヤマビルのことだったのか!
後で知ったが、このヤマビルは日本で唯一水辺でないところに住んでいて、二酸化酸素に反応して熊、鹿、猿、鳥にさえ取り付き、運ばれて生息場所が広がっているとか、そしておじさんが落ちてくると言ったのは、おそらく猿や鳥に取り付いたものが一緒に移動して、離れ二酸化酸素を察知して木から降ってくるという事のようだった。
草むらから襲ってくるほうが多いらしいが・・・
本当にそれ大事なことだから!誰にでも分かる様に教えてほしかった。
看板とか、必ず読むようにとかでも。絶対注意しないといけないことでしょう?誰でも気づく、そして一読してからでないと入らないようにぐらいの看板つけてくださいよ。山詳しくないので、観光に始めてくる人用にお知らせあると助かります。
事前に調べなかったのが悪いのですが、看板もあったのかも知れないし、気づかないのは本人責任でしょうが、ものすごく悲しい。
知っていればと思ってしまうけれど、襲われてしまったものは取り返しがつかない。
幸いスキッパーキサムは特に痛がる様子もない。(犬という種族は我慢強いので本当はどうなのか不明)
残念なことにスキッパーキはまっ黒だから、パット見白い物以外が体についていても見落としてしまう。黒は好きだけれど、白だったらよく見えて、気がつけることも多いだろうなんて思ったりもした。
サムはいつもどおりにおとなしく後部座席で座っている。