スキッパーキサムは足元で丸くなって一緒に寝ている。
その事実が凄く嬉しかった。
オールフリーの状況になっても、サムは距離をおいて寝ていて、一緒に寄り添って寝ることはなかった。
何がキッカケになったのかは不明なのだが、サークルの中で寝ていたサムが、足音なのか気配なのかに気づいて起き、サークルから出てきて一緒に付いてきた。
だけど見えないなにかがあるようにように部屋に入らず入り口で佇んでいたのを覚えている。
そんなサムに「おいで」と言うと、サムは呼びかけに応えるように、直ぐ様ジャンプしてベットに飛び乗り、足元にうずくまるように丸くなったのだ。
正直スキッパーキがジャンプしてベッドに上がるとは考えてもいなかったので、驚きだった。
せいぜい部屋に入ってきても隅に用意したサムのベッド(いつでも寝られるように勝手に置いてみた)で寝るだろうぐらいに思っていたのだから、寄り添うように足元で丸くなったサムの行動がもの凄く嬉しかった。
そして、今ココにサムが居ると言うことが、視覚で認識するというのではなく、足に伝わってくる「サム」という実体での存在感。もしかしたらサムは気持ちを汲み取って、傍に来てくれたのかもと思ったりもした。
それからは、だんだんと一緒にいる事が多くなっていった。
添い寝する様になり、夜のサムの訪問も変化していった。
一緒に部屋に入いることはぜず、布団に入って暫くすると暗闇の中サムがやってくるようになった。
それはとてもスリリングであり楽しみな時間で、暗闇の中ヒタヒタとサムの足音が聞こえてくる。
サムは先にサムの家(サークル)で寝ていたのだが、そこから出てきてまず部屋の様子を伺っているように、入り口で立ち停まる。足音が聞こえなくなりドキドキする時間が始まる。
再びサムのヒタヒタと足音が聞こえはじめ部屋に入ってきたのが分かる。「ヒタヒタ、ヒタヒタ」とまるで某番組の最後に残った二人のどちらかに決める時のように、様子を伺っているかのように、ベッドの下で行ったり来たりをするのだ。
どこから?来るのか、来ないのか。暗闇の中サムのヒタヒタと言う足音だけが聴こえ、息を潜めてサムの行動に耳を澄ましたものだ。
ヒタヒタと聞こえる足音がしなくなると同時にシュッタとサムがベッドに飛び乗り足元で添い寝する。そのサムの行動がとても嬉しい。
ただ、布団の上にスキッパーキが載るとまっ黒な毛が布団表面についているだけでなく、布団カバーを通り越して真っ直ぐなオーバーコートがトゲのように刺ささるのが分かった。中に入り込んだ毛はなかなか取ることができない。
サムとお泊りするほとんどの所では「犬は布団に載せない事」と言う注意事項があることを思い出し、妙に納得した。
速攻でそこそこ厚みのあるベッドカバー(マルチカバー)を購入した。その使い方は本来のベッドカバーとしてではなく、サムが布団の上に載って良いように。