今迄スキッパーキサムと泊まった宿で、食事時間に一緒にご飯を食べている犬をあまり見る機会はなかった。
宿泊先のダイニングルーム、レストランは勿論犬同伴で、必ず足元にスキッパーキサムは居る。
むしろ、足元にサムがいるから、サムだけが気になり他の犬を見ていなかったのかもしれない。
食事の時間が来ると、スキッパーキサムと共に案内された席に着く。その際入り口から、席につくまでに、他のテーブルを通り過ぎる時に、小型犬5kgいかない様な可愛い犬達の多くはセッティングされている椅子に座る人が居なければ、椅子の上にちょこんと座って居たり、飼い主さんの膝の上にいるのを見かける事もあった。
ワンちゃん用ディナーがある所では頼んでいる方達もいたが、ワンちゃんが食べているところを見る事はなかった。
つまみ食い的にコソッと食べさせているところは見た事があるのだが、意外と食事処で、他の犬が食べているところを見た事がなかった。
その日はたまたまが重なった。
いつもなら、目の前の料理と足元のサムしか気にならないのに、何やら他のテーブルで動きがあり、そこにはおとなしいラブラドールレトリーバーが今迄飼い主さんの傍で座っていたのが、プチ興奮していた。どうしたのかな?と思っていたら、飼い主さんが、おもむろにパウンドケーキ型の様な入れ物から、緑色した何かを別皿に取り分ける様に移し、それをラブが待ち遠しそうにくっついて見ていた。
あまりにも緑色が印象的で見てしまった。おそらく茶色ぽいものだったら、何も思わなかった。そして、その緑色の何かが入ったお皿をラブの前に置いた。
ご飯だ。ラブは瞬殺。あっと言う間に食べてしまった。
羨ましい食べっぷり。
思わず聴いてしまった。手作りごはんですか?と。微笑みながら飼い主さんは、手が空いているときだけ作るんですと。
何時もはドッグフードを食べていて、たまに手作りごはんをあげるそうだ。
初めて食事処で手作りごはんを食べているワンちゃんを見た。
オヤツでもなく、店のものでもなく、作って持ってきた手作りごはん。
何だか、遠足の時のお弁当みたいでほんわかする。
普段は普通にドッグフードを食べ、たまに手作りごはんを食べる。ちょっとした贅沢。良いよね。
羨ましい。実に羨ましい。
お誕生日だから特別に。記念日だから特別に。サプライズ的で、たまにの贅沢は良い。まあ、それは人間だけの事だけど、特別があるとちょっと嬉しい。
ラブちゃんも何でかは分からないだろうが、特別な手作りご飯は美味しいだろうし、嬉しいだろう。
でもスキッパーキサムは特別を真似する事はできない。
普通にドッグフード食べないから。
日々フードファイトしているから、普通にドッグフード食べたら、本当に嬉しい。食べてくれたら逆にその時が特別でサプライズ?
食べてくださいよーサム。ガツガツとドッグフードを。