父と初対面のサム2

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父と初対面のサム2

スキッパーキサムを見ていた父がおもむろに、「おやつあげよう」と、言い既に手に持っていて、探検していたはずのサムも側にいてスタンバイしている。
いつの間にサムのためにおやつ買っていてくれたのだろうと思い父の手元を見ると・・・
OH NO!
それは普通の人間用のお菓子。あげないでー!
わざわざ用意してくれたのだろうけれど、昔と違うの!今はダメなのー。人間の食べるお菓子と犬用と違うんだよー!

そう昔はボクサーのジョンにはお菓子あげてました。何せ犬のご飯は残り物メインな感じの時代でしたから。食べる事大好きなジョンだったので、何でも喜んでバクバク食べていたし、あげちゃってました。

でも、サムは人間のお菓子はもとより、味付けしてある人間の食べ物はあげないし、色々と問題がある。しかも日々フードファイトしているのだから、味がついて美味しいお菓子など口にしたら、虜になる可能性もあるし、更にフードファイトが激化する可能性もあるなどと考えたりするのだが、父は単に可愛いサムにあげたいだけ。

何がいけないかわかっていない、ただ喜んでもらえると思ってサムのために用意してくれた優しい父の行為を止めるのは気が引けなくもなかったが、そこは別物。
ガッチリ止めて、今はお菓子あげちゃダメなんだよと、サムの鼻面にあるお菓子を押し戻す。
あー危なかった。

サムはいきなりパクッと食べることはしないのが功を奏した。出されたお菓子の匂いを嗅いで確認している所だったのだ。
危ない危ない。危険はすぐそこに潜んでいる。
引っ込められたお菓子の残り香をしばし追うサムだったけれど、そこはスキッパーキ、切り替えが早い。

残念そうにしている父にサムのご飯と言うか、持ってきているササミをサムにあげてとササミをお皿に乗せたものを父に渡す。
渡された皿を直ぐにサムの目の前に置く父。
置かれたササミを食べるサム。それだけ。

初めて気がついたのだが、父はむやみやたらにサムに触らない。良い子だ、良い子だと少し撫でた程度だ。
むやみやたらと触ろうとする人もいるが、無理にというか積極的に触らない。これが好かれる理由なのか?
いや畑先生は、わしゃわしゃ触りまくっていた。触る触らないに関係なくその人の持つオーラに惹かれるものだろうか?動物に好かれる理由は何だろうか?と思ったりする。

サムのご飯を食べる所、休んでいる所。全て父の日常には無い事で、サムというスキッパーキという犬を可愛いと思ってくれている。
と穏やかな時間はあっという間に過ぎる。
もうこんな時間か?早いなー・・・おーい。サムは良い子だから、うちにずっといても良いんだぞ。このままうちの子になるか?
え?!なんですとー?
良い子だな。滅多にいないこんないいこ。吠えないし大人しいし、お利口さんだ。父はベタ誉めしてくれる。

サムを相当気に入っちゃったかな?
でも置いてかないよーサム。またね。
いつでも大歓迎だからまた来てね。そう父は言って見送ってくれる。

動物大好きな父だからか、動物から好かれる父だからか。サムは知ってか知らずか今迄見せたことのない親愛を示していた。
目に見えないものを感じることができる種だからか、色々読み取ったのだろう。家では無い家で探検し、ずっと温かい視線に守られていたせいか、寝たりしていた。とてもリラックスし、可愛がってもらえていることを感じていたのだろう。
穏やかなサムが目の前にいる。

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