富士山に行った記憶がない。いつも富士山を遠くに見ていただけだ。
富士山の頂上からの世界は凄いだろうと思う事はあっても、富士山を制覇するなどと、大それた事は思ってもいなく、少し富士山を感じることができれば素敵だろうなという思いで、スキッパーキサムと富士山に向かうべく、霧が出ている富士スバルラインを走った。
どんどんと標高が上がっていくのが耳の変化で分かる。欠伸をしたりして耳の閉塞感を緩和したりするが、サムは大丈夫だろうかと少し不安になる。見た限りいつもと変わらずの様だ。
途中のパーキングには大型バスが数台停まっているのを見ながら、展望台のある駐車場に立ち寄り、サムと少し休憩がてら歩いてみたが、晴れていたら見晴らしが良くて素晴らしい景色が見えるのだろうが、残念な事にあまり天気が良くないので、単なる駐車場で休憩だった。此処まで車は走っていたが、人があまりいなかったので、富士山登山口近くに来た時に道路脇にずらーと車が駐車して、人がいたのに驚き、広場に着いた時には、溢れんばかりのバスの多さに驚き、お祭りかと思うぐらいの人の多さにびっくりした。
世界遺産、美しいフォルム、登山する人々がいて、いろいろな観点からも注目されている場所で、あまりにも有名な所だと知っていたはずなのに、渋滞する車。今迄見た事もない数の大型バス。気を付けなければぶつかってしまう人、人、人。その多さに圧倒された。それでも駐車場には難なく止める事が出来、早速スキッパーキサムと初富士山歩き!と登山口に向かうべく駐車場から広場に続く階段を上がる。
休憩所の裏手から広場の方にでる。いろいろな人達がいる。まるで繁華街に来たような賑やかさだ。
富士山は人気観光スポットだからね。行こうサムと歩き出すも、人が多くて気を使う。
特に中国人らしき方達がいたら、サムをブロックする様に歩き注意をする。何かされないか心配だからガードしてしまう。サムはまっ黒スキッパーキだ。中国人は黒犬を嫌う。だから過剰反応してしまう。海外番組で見た光景が忘れられず、サムに何かあったらと思ってしまう。ひとえにサムが愛おしい。大バカ犬バカだ。
登山道入り口へ行くも、山開きはまだされていなく、閉鎖されていた。尤も初めからどのような感じかを見たかっただけなので、ガッカリとかは無く、逆に山開き後の登山ベストシーズンだったら、規制や観光客も今以上だろうし、ラッキーだったのかもしれないと思い、こうして急かされる事もなく入り口をサムと一緒に見れて良かったと思った。
少しの間覗くように見てから、来る時に鳥居が見えたからお参りしようねとサムと広場に引き返す。来る時には良く見なかったが、洒落た感じの建物で、登山と言うと物語にある山小屋のイメージが強かったので、またまた驚いてしまった。お店だっていっぱいある。しかも今は何でも綺麗だね。皆んなここで一息つくんだね。大切な場所。
店の向かいの広場には馬がいる。馬って綺麗でかっこいいのに目がが大きくて可愛いな。お馬さんに乗れるんだね。サムはお馬さん高いから怖いかな?なんてこっそり話しながら通り過ぎていくと、
何故か呼ばれている感じが・・・ん?と振り返るとお姉様が、その犬すごく賢そうだけど、なんて言うの?と声をかけてくれた。
「スキッパーキ」です。と言うと。そう、スキッパーキって言うの?!。(おおー!!一度でちゃんとスキッパーキと言ってくれた。凄いぞお姉様。あなたはいったい何者?)
ずっと見ていたんだけど、大人しくてお利口さんだからなんていう犬か知りたくてね。とその後も嬉しい事をいっぱい、いっぱい!言ってくださる。ありがとう!
サムを見ていてくれて、スキッパーキに興味が出たって嬉しい。お姉様はお馬さんの所の人で、ずっと犬を飼っていたそうで、そろそろ又飼ってもいいかなと思っていて、思案していたそうで、そんな中サムに目がいったそうな。
サムを見ていたら、サムと同じスキッパーキが飼いたくなったと、もうお上手で、にやけてしまった。