スキッパーキサムと歩く展望台からのゴヨウツツジ遊歩道はブナ遊歩道とは全然違った。これが遊歩道?けもの道じゃないの?ぐらい全く手入れされていない。
先程までの散歩コースの10分の1ぐらいの道幅な上、草が生え放題、横から枝などが飛び出したりしている。ワイルドだな。遊歩道って本来そういうものなのかな?などと思ったりしたが、疑う事なくドッグランと帰りのゴンドラが楽しみなので先に進んだ。
展望台まで来た道は手入れがされ白い砂利、観光に来ている感じさえしたから凄いギャップ。ブナ遊歩道なんて公園程度の散歩道だったなと思える。その2つのコースとは大違いの荒れ放題。誰も歩いてないような道。それでも天気はいいし、自然の中で、何の疑いも持たず歩いた。
少し行くと「熊出没注意」の看板があった。
山だから熊もいるんだー。と軽い感じで、熊。小熊ちゃんに似ていなくもないスキッパーキのサム。看板で写真撮ろう。と、サム熊出没注意!と楽しく写真撮ったりして、道を進んだ。だいぶ歩いてから壊れかけた看板ではなく道しるべがあった。単に方向を示している。「北湯と清水平」矢印。マウントジーンズの文字は一文字も出てこない。MAPによるとここに階段が有り階段の先がドッグランのあるゴンドラ乗り場の筈だが、階段などない。しかも人の気配は全くしない。気味の悪いぐらい静かだ。注意深く歩いて来ていたのだが、「案内板は一枚も見ていない」。
ブナ遊歩道で、壊れかけて意味のない奥の方で消えかかった文字のモノがあったので、ここでも、それらしき看板があるかと思っていたが、全くない!時間的についてもいい頃。すでに30分は歩いている。なのに一つとして案内板が見当たらない。おかしい。どこかで階段があり、それを降りるとゴンドラ乗り場付近に出るはずなのだが・・・
一抹の不安がこみ上げて来た。いや、これから案内板が出てくるはず。なんと言っても、マウントジーンズの目玉の散歩コースなのだから!みんなきているはず!の道は荒れ放題。絶対管理などしていない感じだ。こんなに荒れている遊歩道初めてだ。と、さらに不安を煽る要素を探してしまう。いつまでたっても案内板も看板も出てこない。1時間以上は歩いている。
「迷った」な。誰もいないし助けも呼べない。
『遭難』この文字が脳裏に浮かんだ。
引き返そうかとも考えた。いや、そんな事をしたら其れこそ本当に道を失い遭難する。
悪路をずっと歩いてきた。1人ではない。スキッパーキサムがいる。だから歩いてこれた。足元にいるサムはいつもと変わらずどんな悪路でも文句一言も言わずついてくる。
スキッパーキだからできる技。もちろん日本犬の方が凄いだろうが、小型犬で洋犬スキッパーキは、こんな悪路山道を想定している犬種ではない。なのに嫌がらず、障害物も多い、足元、体高が低いから人間のひざ下ぐらいで、かき分ける草や枝など目の前に飛び出して来て危険だ。全然考えもしなかったが、怪我する可能性も高い。だけど一緒に同じペースで歩いてる。
凄いなサム。ありがとう!頑張って。スキッパーキである事に感謝し先に進む。おそらくスキッパーキか日本犬以外であれば遊歩道散歩はしなかっただろう。この犬種スキッパーキだからサムだから何処へでもズンズン行こうと思うし、行くのだ。今の状況が決して良いとは思えないが、先に進むしかない。
ここで立ち止まったり、戻れば「リアル遭難」になる事間違いなしだ。
まさかこんなことになるとは「熊出没注意」看板で写真撮った時には思わなかったし、こんな悪路を歩く服装でもない。軽装でスニーカー。直ぐに帰ると思っていたから飴玉一つ水も無い。
この状況を此れからの事を木々に囲まれ少し立ち止まって考えながら休んだ。