予想外のコナフキンスキッパーキ

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予想外のコナフキンスキッパーキ

帰りの車内は気持ちが整理できず、現実をどう受け止めるべきか分からずにいた。
スキッパーキの群れの中で暮らしていて、それが日常になり、うちの子では無くお店の子になってしまったのか?

1ヶ月半前には覚えていて、忘れていなくて、あんなに嬉しそうに飛びつてきたじゃないか?家ではした事なかったのにも関わらず飛びついてきて、嬉しかったよ。本当に。それぐらいストレートに飛び込んできてくれたじゃないか!サム!

粉吹いた。
見たことない程の粉吹いた。まっ黒なスキッパーキがクリームに変わるのではないのかと思うぐらい粉吹いてた。

ショックだった。

サムは忘れたのか?
忘れたから触られるのも嫌だったのか?
忘れたから一度も顔を見なかったのか?

諺にもあるではないか、「犬は三日飼えば三年恩を忘れず」いやー。三日飼えば恩を忘れずで、一生恩を忘れないのだと思っていたのに三年忘れずだったとは。三年か・・・。
少なくとも三年は忘れない筈だよね?
そもそも本当かどうかは別として、たった2週間でキレイさっぱりわすれたのか?!

スキッパーキのサムとは半年。預けた時期もあるけれど、それにしても数か月は一緒に暮らしたじゃないか!それなのに忘れたのか?

哀しい。悲しいだけだった。
サムとは言葉でコミュニケーションが取れない。問う事は出来ても、答えてはもらえない。
東京ビッグサイトでのFCI東京インターナショナルドッグショーのショー出陳が終わったらサムを連れて帰ることになってる。

懐いていない目を合わせることもない。触る事も出来ないただのスキッパーキ。
いや、ただのスキッパーキならばそこまで徹底的に拒絶しないだろう。
そんなスキッパーキのサムとこれからやっていけるだろうか?

考えがプラスに転じる事はない。一緒に暮らした日々が、無かった事になっている?
何故?頭から離れない。サムの徹底した冷たい態度。粉吹き…コナフキン。
サムが戻ってきて、やっていけるのか?
逢いに行きたかった時とは真逆のどん底なテンション。期待が高かっただけに落とされる落差は激しい。堂々巡りの答えがない自問。

スキッパーキという、理想の犬に巡り会えて、思い描いている生活とは違えど、懐いて、遊んで楽しく暮らしてたはず…はずなのだ。
それが牙城から崩れた様な虚しい悲しい。どうしてこうなったんだろうと言う思いから抜け出せない。
どうして?こんな気持ちでやっていけるのだろうか?

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