緑の多い広い公園。木々が沢山あれば木陰もあり、散歩もできる。そう思って探した。
歩いて行ける距離の公園はこじんまりとしている町内会で使う公園なので、元気の良いスキッパーキの仔犬には広いところで遊んで欲しかったし、おそらく他の犬、人もいるのではないのかと期待していた。
容赦ない炎天下の夏の日射しを少しでも遮り、土、草の自然の上を歩かせたいと同時に、スキッパーキとして必要な運動量が心配でもあった。
この過酷な夏の季節がサムの成長で大事な時期に当たることが恨めしかった。
読んだ本の中で、100人、100匹の犬に会わせるとフレンドリーで物怖じしない素晴らしい犬になるとあった。
ムリ、むり。無理!
この暑さの中、何処にもワンちゃんいない、人だって外歩いていない。
でもサムとこれからずっと一緒に暮らしていくのだから、必要だという事はしたい。したいと言うより、しなければならないというと言う責任感。行うのが義務だ的な、やらねばならないと思っていた肩に力入りまくりのガチガチ状態。
何もできないくせにハードルだけ高く置いていたんだよね。
そんなわけで、凄く大事な時期なのに「夏」という自然の前で幼いスキッパーキを狭い世界に閉じ込めたくなく、少しでも外の世界を見て聞いて嗅いで触れて、いろいろなモノ、状況、現象、刺激がある事を今のちびっ子の大切な時期のサムに少しでも知って欲しかった。
だから、緑地や池、散歩コースがあるところならば、車を走らせ出かけてみた。
運が良ければ他の犬や人と出会えると思って犬に優しい?公園を目指した。
東京都は凄い。広いエリアを良く確保したなぐらい羨ましいほど気持ちの良い緑。家族連れが多く、子供達の楽しげなはしゃいだ姿が多い公園がある。
散歩をしている犬連れも割といたのだが、みんな距離を置いている。近づいて来ないし、近づかないでくれみたいなオーラを発しているように感じた。
たまたまなのだろうが、東京の公園で遊ぶ時はみんな我関知せずだった。
交流はもてなかったが、サムは気にもしておらず散歩を楽しんでいる風に見えた。
サムにとって初めての場所はとても楽しいようだ。散歩も積極的で、瞳はキラキラ輝いている。ただ、まっ黒い顔からは表情を読み取ることはできない。(もともと表情筋が少ないから読み取るのは難しい?)
軽い足取り、ちょこちょこ歩く姿のスキッパーキの仔犬は他では見ない漆黒のぬいぐるみみたいだった。