スキッパーキサムは今日もポリポリ。カリカリ。ドライフードを食べる。
ふやかしフードから、ドライフードそのままに変わってから順調に食べている。むしろ良く食べている。ふやかしたフードと何もしない、そのままのドライフード。同じフードでも、見た目、硬さ、大きさが違うからなのだろうか、不思議ではあったが、サムが食べてくれるのが、ありがたい。ただ、食べるだけなのに、良かったと毎回思う。残さず食べるのが本当に嬉しい。
だから、今迄食べていたドライフードを「残こした時」には、「凶兆」だと思った。良からぬ事が起こるオーメン。
初めて事の深刻さを認識した。
この時まで、頭の片隅にはあったけれども、大丈夫。何とかなる!と思いたかった気持ちで抑えていた問題。もう何とかなるとかいう段階ではない。大丈夫ではなくなってきている。
逃げていた訳では無い。希望があった。ふやかしから、そのままのドッグフードを食べていたから、このまま行けるのではないのかと希望を持っていた。
持たずにはいられなかった。これから先の長い道のりを一緒に歩むのだから。
柔らかさを変え、形を変え、時には遊びの様に見せかけて、だまし騙し的ではあっても、食べていたパピーのスキッパーキサムとは違う。食感の問題では無い。
今のドッグフードはもうすぐ通じなくなる。
否応なしに本当のフードファイトが始まる事を受け入れなければならない。
フードを残している現実。逃げる事ができる所までは、あとわずかしかないだろう。かなり拙い状況で、今後深刻さを増していくであろう不安と怖さを感じてきた。
これから、食べなくなる量が増えていき、口もつけない状況になった時にどうする?
今食べているものは、明日は食べないかも知れない。そうすると次はどうする?
違うメーカーの違うドッグフードに「変える」。それを繰り返せねばならない。
変えるフードが無くなったら?
ドライタイプのフードで何とか収まってほしい。ウエットタイプまで行ったらもうその先は無い様な気がした。ドライタイプよりウエットタイプの方が美味しいと聞いていた。それなのでウエットの領域には行きたくないと強く思っていた。
そう長くは今のドッグフードは持たないであろう事を考えると焦りが出てきた。
特に美味しいものをあげてはいない。おやつも市販のおやつをあげてはいない。
トレーニングさえ、おやつを使わないできた。今思えばおやつを使っていればトレーニングはより容易にできたと分かる。だが、おやつは主食であるドッグフードの目的とは異なる。総合栄養食、補助食ではない。人間と一緒でおやつ食べてゴハン食べなくなったりしたらいけないと、過剰反応して敬遠していた。
それなのに、それなのに目の前のスキッパーキのサムは食べ残しをし始めた。