スキッパーキのサムだけ

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スキッパーキのサムだけ

スキッパーキサムがいい。サムだけがいい。答えは決まっていたのだ。

アドバイスはあくまでもアドバイス。それだけなのに、その通りにしなければならないわけではない。

将来的に家族が増えたらいいなという話であったはずだったが、「多頭飼いをするなら今」で、「何を飼う?」と言う話になっていたことが気持ちを重くしている原因だったのだ。

そもそも論になるが、何故多頭飼いをしたいのかと思った理由はスキッパーキサムと、はじめからやり直したいという思いがあるからだ。
出会った時から愛情を恥ずかしげもなくサムに伝えたかった。ずっと一緒にいればよかった。

そうすれば・・・

始めからやり直すには赤ちゃんを育てればいい。だが、迎い入れるという事自体に踏み切れない何かがあった。

大切なその何かをわかるまでに随分と時間がかかった。目の前にあるのに、目の前にあるからこそ気が付かなかった。

「スキッパーキサムとやり直したい」と思う気持ち。後悔する事が多かったので、何もかも始まる「赤ちゃん」という代替を欲した。

甘噛をする赤ちゃんではなく、触ると反応するパピーでもなく、今では常に見て寄り添うサムに気が付かず、また見過うところだった。

やり直しをしなくとも、今目に前にいるスキッパーキは恨んでもなく、信頼してくれて傍にいてくれる。

サムというスキッパーキは今では思い描いていた良きパートナーとなっていたのだ。

シャイなのは性格であり、それは個性の部分なので相変わらずなのだが、いろいろとサムは行動を示す様になった。

アクション自体は大きくも激しくもなく、どちらかと言うと猫の様にさり気ない表現なのだが、確実に伝えてくるようになった。

遊びの時はより楽しそうに、顔の表情の変化、動き方、歩き方がよく分かるようになった。

他のワンコと遊んでいる時を除いては常にすぐ近くにいる。いつの間にか一緒に寄り添って寝る様にもなっていた。

そして何よりも、可愛がりたくて呼べば、それを察知して嬉しそうに耳を倒して尻尾を振りながら体を擦り寄せてくる。

憧れていた「スリスリ」だ。

体をなでても、ワシャワシャ触っても、マッサージしても、ボディチェックしても嫌がらず、甘噛もしない。

憧れていた、欲しかった反応をしてくれるようになっていた。

後悔した。いつも後悔していた。その後悔をなくしたく、やり直して手に入れたかったものは既に手にしていたと気がついた。

求めていた関係が既に成り立っているのだから、答えは決まっている。

やっと何ヶ月もあったモヤモヤが消えスッキリした思いで、スキッパーキのサムと向き合えた。サムだけだよ。(今は)オンリーサム。

あまりにも近くに居て、普通で、日常になっていたので気づけなかった。現在の認識より過去の後悔に縛られていただけの事だった。でも今はもう迷わない。

スキッパーキサム以外考えられない。親馬鹿犬ばかサムバカ最高だ!

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