朝方寝覚め、意識ははっきりしているけれど、まだまだ布団から出たくなく目を瞑ったままそのままでいると、足元にサムが居るのを感じた。
何気にサムは体をくっつけている。くっついているのは安心と温もりを感じられるからかな?サム。
微動だにせずにいると、サムが「フウ」と息をはき出す音が聞こえる。人間で言うところのため息みたいな感じ。
暫くして寄りかかられている感じの足ををほんの少しずらすように動かすと、合わせるように、サムもまた何気なくモゾモゾと動いて再びくっついて来る。可愛いけれど少し不自由な感じではある。
目が覚めてスキッパーキサムが居る。こんな幸せがあったのかと思う。
布団に上がるなんてもってのほか。ありえない事だと思っていた。
スキッパーキを飼い始めた頃では想像もしていなかった状況が、今では一緒にいるのが嬉しいし、足元で寝るぐらいどおってことはないと思っている。
体が心が離れていた時を埋めたくて、考えを変え、態度を変えて良かったと思う。今では離れてしまった時間があったから変わることができたと思うようになった。
寄り道、遠回りをしていた分時間はかかってしまったけれど、だんだんと最初に描いていたものに近づいている気がする。
その中に「一緒に寝る」とか入っていなかったけれど、お互いにとって信頼を深められる様な事であればそれも良しと思っている。考え方、接し方が変わればいろいろと変わってくる。
変わったからこそ得られる幸せ。変われてよかった。
冬は寒い、暗い。なかなか布団から出ずにモゾモゾすると、その途端サムは起きた事を察して、起き上がり、足元からゆっくりと上がってきた。
寝たふりをしているのだが、すでに起きたことがバレているのでスキッパーキは尻尾を楽しげに振っている。何故目を開けずに尻尾を振っているのか分かるかというと、布団に尻尾が軽く当たりパタパタと音が聞こるのだ。
それでも寝たふりをしていると、頬に何かが触れた。サムの肉球だ!
起きてる?という感じで、そろりそろりと前足の片方をそおっと、そおっと優しく肉球を頬に触るか触らないかのソフトタッチで、ねえ・ねぇ・ネェ・と言っているように三回触った。
元気にパワフルに遊ぶ姿からは想像ができないくらいのソフトなソフトなとても優しい触り方。もうたまりません!
サムがいるであろう所に腕を伸ばすと、サムの体に触れる。そのまま撫でるとサムの尻尾が更に激しくパタパタする音が聞こえる。
朝の至福のひととき。こんな日が来るとは思わなかった。