サムと重ねる月日。やっと歩み寄ってこれたと思えるサムの行動がある。
うまく思いをサムに伝えられなく、サムが何を考えているのか汲み取れず、悩む事も多い日々の生活。
その日常の中で、サムの行動が変わったのはいつからだろう?と思うことが多くなった。
サムとの距離が近づいて、信頼関係が強くなっているのだと安堵と自信を持ちたいだけなのかも知れないが、サムの存在を素直にありがたいと思う。
「傍にいる」
それはごく当たり前の事なのだが、言葉通りスキッパーキサムはほとんどの時間を目の届く範囲に居ることが多くなった。
そして、より近くなったと感じる事ができる状態はサムの寝場所だ。
同じ空間を共にする個体同士の実質的な距離が近いことを肌身で感じられると同時に、形のない思いの親密さを覚える事がきでる行為。
「添い寝」
より近くなったと感じる行動は大したことではなく、温もりが伝わり、気持ちがあたたかくなる距離。
サムとの生活が始まった時には、サムの寝る場所はサークルの中。その後迷走していた頃もサークルの中。本、トレーナー、その他の情報によりそうせねばならないと思いこんでいた。
そんな状況下シャイなサムは大人なしく反抗もせず成長したが、だんだんとひとりぼっちになるサークルに戻りたくなく渋るようなった。
今であればどんな素晴らしい教えであっても、その事が100%正しいというわけではなく、それぞれの生活環境、性格、他、大事な要素によって違うものだと思うのだが、その頃にはどうするのが良いのかの判断さえもできなかった。
いつも振り返ると後悔することばかりだから、今は何がお互いにとって良いことなのかを考えて、よりサムとの生活を大切にしたいと思う。
だから、サムの対し方、一緒に暮らしていく考えを改め、サークルの扉を閉めず、サムが入っては行けない場所をなくした。
スキッパーキサムがオールフリー状態になってからも暫くは何も変わらず、人間だけのエリアだった所にはスキッパーキは一向に入り込まなかった。当たり前なのだが、犬エリア人エリアを強いていた事がサムの行動を見れば一目で分かる。
サムとの不可侵条約を作っていたわけなのだから勝手に条約を破棄し、態度を変えても、純粋で従順なスキッパーキは早々エリア侵入などしなかった。
寝る場所もサムの家であるサークルか、少し離れた所だったのだが、徐々に変わったと分かってくれたのか、サムからも近づいてきてくれた。
そんなふうに思いたいだけなのだろうが、サムの小さな一歩が、その一歩がさらなる距離をつめたと思う。