すっかり空気が冷たくなり、コートはいつからきて良いのだろうと思う季節になった。
散歩も虫除けスプレーする事もなくそのままスキッパーキはお出かけできるようになり、散歩するのもそのまま出かけられるので楽になった。
巷はあっという間に慌しい時期になっている。
特に何が変わるわけではないけれど、メディアが煽り立て否が応でも特別感が増す。
お祭り騒ぎにも似た楽しい雰囲気に便乗して素敵な気分を味わえるのもこの時期ならではだ。それに対し何も変わらない日々を過ごし、何事もなく普通でいられるそんな事を感謝したりする。
サムには人間と違う時間経過だからカレンダーも見ることもないし、去年の今どうだったか等と思うこともないし、振り返って反省することもないのだろう。サムは思わなくても覚えている事があリ、思い返すことがある。
そしてスキッパーキにとって今までのこの時期は面白くない事の方が多かっただろうなどと思った。だから何も柵がなくなった今、この時期はじめての試みのお出かけを計画していた。
寒かったらという事を考えて、荷物を詰めた。
サムにも出来ることなら冬支度などさせたいのだけれど、裸族は一貫として裸族を貫いている。と言ってもこの程度の寒さはサムにとって丁度いい感じなのかもしれない。
目的地が近くなり高速を降りると、想像もしていなかった景色が目に飛び込んできた。雪が積もっている。
天気予報では何もいっていなかったので、まさか雪が積もっているとは思わなかった。サプライズ!今年の冬はじめての雪景色。今は降っていないから昨日降っていたのだろうか?車が通る道路以外は手付かず状態の真っ白な雪のようだ。
雪が降る季節、雪が降るところ。もう雪が降り積もっているとは考えていなかった。ダウンコートあってよかった。
タイミングがいいのか悪いのか、お休みのお店が多く、交通量も少ない。何となくホラーゲームやホラー映画のワンシーンで誰もいないところにポツンといるような感じがしてしまうぐらい人が歩いていない。
何件かお店に立ち寄り、サムと散歩をした。サムは楽しげに躊躇なくいつもどおりにテッテクテッテク、たまにズボッと雪を踏んで歩く。
一緒に走ってじゃれ合うのも真っ白い雪の上だといつもと違ってより楽しい。
走ると言ってもすぐバテるし、スキッパーキについて行けないのをサムは知っているから、リードがピンと張ってしまったら加減をしてくれる。
ただ走ると首輪に付けている虫除けが上下に揺れてアメリカンクラッカーのごとく体に当たるから(当たるとかなり痛いはず)邪魔だよ表現する。
もう少しで思いっきりフリーで遊べるからね。そんなサムに声を掛ける。