スキッパーキは探索中。いろいろな匂いをサムの中のデータベースに蓄積しているのだろう。
人間と犬とでは嗅ぎ分けられる匂い、聞こえる音域が比較にならないほど違う。
性能がまるっきり違う。
生きるための手段、進化と共に削られてしまったもの、特化したものが変わった。
サムは人間が感じ取れない匂い、音を聞いて反応する。それらの情報は全て保管されているらしい。
今サムが得ている情報は普段の生活とは全く違ったものだから、余計に興味があることだろう。
そう思ってスキッパーキの行動を見ていると、匂いを嗅いでいるサムが一生懸命な姿に見えるから不思議だ。
犬の行動、習性を基点で考えると、見方が変わってくる。
そんな事を単に探検しているスキッパーキを見ながら思える余裕がようやくできたみたいだ。
「サム」呼んで注意を向けさせアヒルちゃんでまた遊ぶ。楽しく遊べる時は目がキラキラして反応もいいから面白い。
遊んで、のんびりして。まったりな時間を過ごす。
今ドッグランにいるのは我々だけなので、サムも他に注意する必要がないわけで、のんびりしているらしく、芝生の上でぽよっとした感じでいる。
それでは、そろそろ部屋に戻ろうと声を掛けると、ぽよっとしていたサムにスイッチが入り、素早く立ち上がり階段を目指し、駆け出していく。
早い早い!足を踏み外したらと心配するくらい一気に階段を駆け上がる。
前回泊まった部屋へ続く階段。何度も行き来した楽しい階段。
サムの記憶が前回使っていた階段をチョイスした?
サム今日はそこじゃないよ、もう一つの階段の方だよと、声を掛けると、すぐさま階段を下りて来る。
誘導してくれたのに、ごめんね。
やはりサムは前に来たことを覚えていて、階段の事もしっかり覚えていたのだ。
やるなーサム。残念でした。
初めて階段を上がり部屋に戻る。ドッグランへは階段下りただけだからね。
コーヒーを頂きソファでくつろぐ足元でサムもくつろいでいる。
サムはどこでも黙って近くに居る。
お風呂に行けば入り口で待っている。いじらしいと思うようになった。
家にいるときにはない緊張感がある事と、サムだけとずっと一緒に遊んでいられる事で改めてサムの事を見直せる時間。
サムが来たからこそ、スキッパーキという犬種だったからこそ楽しめる時間を持つことができた。
お楽しみの待ちに待っていた美味しい美味しいディナーの時間だ。
サム終わるまで足元で休んでいてね。