皮膚がただれて病院へ行く(前編)

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サムの首輪

サムがポリポリ、カリカリしているならまだしも、ガッガッ、カプカプと顔が届くところ噛んでいる事があった。

特に最初は気にしていなかったのだが、頻繁に噛んでいるので、何気に止めさせると共に噛んでいる箇所を見た。

ダブルコートで、しかも後脚方面アンダーコートがしっかり生えている箇所だったので地肌が見えづらく毛を選り分けて探した。

ボクサーのジョンは短毛シングルコートだったから、逆毛にすれば地肌がすぐ見えた。

しかし、スキッパーキは短中毛種ダブルコートだから、毛が薄いところ以外すぐに地肌が見えないことを実感しつつ、サムの噛んでいたであろう箇所を見つけた。

痒みが出たから噛んだのか、噛んでしまったから痒みが出たのか分からないが、サムが気にしていた場所は見るからに痛々しかった。

血が何度か流れ出たであろうカサブタの様なかたまりと、その周りに花びらのみたいに縁取り、めくれている様な物が見えた。

血が滲じんでいるが、中心部分は肌が剥き出しになっていた。

自然治癒のレベルではない。

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サムが自分で何もできない箇所ならばそうそう酷くはならないだろうが、届くところでは、痒かったらかいてしまう。

我慢できるはずもなく、問題の箇所はどんどん酷くそして広がっていくことだろう。

このままでは化膿は免れない。

噛んでいるのを止めさせても、痒みを感じるとすぐさま噛んでしまう。

見ている時はいいけれど、見ていない時は、相当掻き毟り噛んでいるだろうサム。

まさかこんな状態だとは思わなかった。

痛みは我慢できるが痒みは我慢できない。

見た目サムはいつもと変わらない。いつもと同じまっ黒な毛。

かわらない何時もの毛ざわり、色。触ったときの反応も同じようだった。だから気が付かなかった。

こんなになっているなんて・・・
ごめんねサム。

掻いているのは知っていたけど、蚊に刺された程度の大したことがないものぐらいにしか思っていなかった。

すぐに身支度をしてサムを連れお医者さんに向かった。

受付をすまし、外で待つ。待合室はいつも混んでいて、座るスペースもない。

最初にかかった病院と今来ている病院は違う。今のところが見つかって良かったと、順番を待ちながら思う。

最初に行った病院でフィラリア予防薬を出された時に若干の疑問を持ったが、それが普通なのかと思い通っていた。

でもある時受付の対応が前々からいい感じではなかったのだが、それほど混んでもいないのにかかわらず、ツンケンした態度で受付をせず、散々待たせてやっと、ぶっきらぼうに診察券を受取り高飛車に対応された。

もちろん精算時も同様に酷い対応だった。

何なのだこの態度。あり得ないと思い、別の病院を探し、今のところに来ることになった。

そして来てみてわかった。全てが比べようもないほど良い。出される薬も、先生も受付さんもいい。

待合室の雰囲気も全然違う。お医者さんに来るということは、それだけでもストレスが加わる。

体の状態があまり良くない上に加えられるストレスが病院によってこれほど違うのかと思ったほどだ。

動物病院選びは難しい。

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