見て聞いて確認しているサム

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見て聞いて確認しているサム

窓から外をじっと見ているスキッパーキサムの姿は真剣そのもので凛々しくもある。

怪しいと判断すれば警告する。

その一生懸命で真摯な姿は一緒に遊んでいる時とは全く別のサムだ。

外の動く世界を車窓から見る様になった頃は、相当に頑張っていたのだろう。スキッパーキは寝ることもせず、ウォッチドッグ全開でいた。

車窓から見える世界はいつもサムが見ているモノと全く違う。視線の高さ、周りの動く速度も違うから、刺激が強かったことだろう。

窓に張り付いて外を見張っていたサムを、スキッパーキという犬種特有の気質や性質だと思わずに、単なる物珍しさゆえの行動だとその頃は勘違いしていた。

サムが見ている意味、吠える理由は唯一つ。

パックでありファミリーだからだ。

スキッパーキという犬種はウォッチドッグなのだから、その生まれながらにして与えられた役割を誰に教わるわけではないのに一生懸命果たしていた。

スキッパーキの誠実さの現れであったと分かるのに時間がかかった。

そんなウォッチドッグのサムも経験を重ね、わかり得たことも増えたのだろう。

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最近は、出かけるとある程度は警戒確認しているけれど、予想がつくからなのだろうか、窓にへばりついてずっと見張っている事をしなくなった。

車が動いている間は問題ないと思うようになったみたいだ。

高速道路などはある意味一番安心していられる所でもある。

周りには同じ様に同じ方向に動いている車だけで、あとは何もない。

だからウォッチドッグも安心して休んでいられるようなのだが、パーキングエリアに入る気配を察すると敏感に反応して、すぐさま起き上がって見張りをするあたり、流石ウォッチドッグである。

車が止まる事をサムは音で、体感で、周りの様子で判断していることは間違いないのだが、わずかな変化に即時反応するのは凄い。

最近では、大概移動中のスキッパーキサムは落ち着いてのんびりしている様になった。

経験値が物を言うということなのだろう。

大人になったからなのか、慣れてきたということもあるのだろうが、サムが経験した事、道、場所は記憶の図書館にしっかりと刻まれているようだ。

車で出かける時には、家を出て暫くは監視する様に外をみているが、確認できると窓から離れ休む態勢になる。

車が移動している間は落ち着いていて、外を見ることをしなくなったのに、宿に向かって行く道だと立ち上がり、窓から外を真剣に見ているからおもしろい。

そのサムの姿はウォッチドッグの警戒する真剣さと違う期待のこもった楽しげな様子に見える。

一体何を考えてサムは外を見ているのだろう?

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