スキッパーキサムと父が初めてあった時の事。
犬も猫も好き、昔飼っていた時の話を聞くと、賢い子たちだった様だ。だが、犬も猫もただ賢いだけでは無いのではと最近になって思った。
今まで考えもしていなかったから気づかなかった事なのだが、ごくごく普通にしている様にしか見えないのだが、何故か牛もヤギも鶏も山鳩も雀でさえ父になつく、あまりにも普通だったので、雀は人懐っこい鳥だと思っていたくらいだ。
そして、金魚も世話をすれば父に意図なく単純に世話をしているだけなのだが、素人では難しいと言われている孵化と言うか気がついたら沢山の稚魚が泳いでいたぐらい、今思うと父は何かを持っていたにちがいない。
ボクサーのジョンが旅立った時にもう飼わないと言って植物以外世話をしていないが、また、植物も実に素晴らしく育つのだ。珍しくて、育成が難しい植物でさえ生き生きと育つ。その事をわかる人がいたのだろう、ある朝綺麗に咲いていた植物を丸ごとごっそり盗まれた事もある。
それだけ、センスだけでは無い何かを父は持っていたのだろう。
動物、生き物好きで、何故か動物に好かれる父。そんな父にサムと一緒に会いに行った時にはその事をすっかり忘れていた。
玄関におり立ち一緒に父の元に行くと、サムは迷わず父に挨拶をする。彼なりの親愛の挨拶。尻尾をゆっくりと振り、ちょっと触れるか程度のすり寄り。猫のようなスキッパーキだ。
だが、サムにしては物凄い頑張りだ。シャイ過ぎるサムなので、いつもならそこまでしない。
もっと近くに行けばいいのにとか、少しぐらい触られてあげればいいのにと思うぐらいだからだ。そして父に触られても、尻尾振って触られている。
え?何時もはスッと触られる前に身をかわすのに、触られてる。しかも「頭」撫でられてる!?
な、にー。頭撫でられて嫌がっていない?!待て、まて、マテ・・・何故だー?!なぜ、ナゼ????
家でも頭触られる瞬間は嫌そうなのに、手が迫ったくるのが好きじゃ無いはずだよね?サム。スキッパーキ、犬。一般的に。
それなのに、なぜだー?!と思ったものです。
父もゴットハンドだったのか?!同じ様に触ったら、間違いなくサムは上手に身をかわすはず。
その時には父の過去を忘れていたので、不思議でならなかった。それにサムの父に対する態度が少し羨ましかったりした。
そんな羨ましい光景を見ていたのだが、サムは徐々に興味津々のスキッパーキになっていき、父のもとからゆっくりと動きだし、探険を始めた。
そんなサムを可愛い。いい子だ。全然なかなくて大人しいと目を細めずっと目で追っている。サムの一挙一動を見ている父。
サムが父の視界から見えなくなると、どこに行った?と探し、水を飲んでる姿を見つめ、話すわけではなくサムを優しく見守っている。
サムが父に近づいても触らない。見守っているのだ。
相手を思いやり、見守る。
何とも微笑ましいスキッパーキサムと父。